第1 債権について

1 債権とは

債権者が債務者に対して一定の財産上の行為を請求することを内容とする権利。

* 具体例
① 売買契約
売主が買主に対してだ金の支払を請求する権利

② 消費貸借契約
貸主が借主に対して元利金の支払いを請求する権利

2 債権の発生原因

発生原因には、主に以下のものがあります。
① 契約
② 事務管理
③ 不当利得
④ 不法行為

3 債権者平等の原則

債権者が競合して、全債権を弁済することができないときは、債権額に応じた按分弁済しか受けることができないという原則。

4 責任財産

⑴ 責任財産とは

金銭債権を強制的に履行させる方法は、債務者の一般財産を差押さえて、配当を得る方法です。
この差押えの対象となる債務者の財産のことを責任財産といいます。
差押さえることができる財産は、原則として債務者の全財産です。

しかし、民事執行法において差押禁止動産(民事執行法131条)・差押禁止債権(民事執行法152条)が定められ、差押えすることができない財産があります。また、特別法でも差押禁止債権が定められています(生活保護受給権等)。 

⑵ 株式会社の債権者は代表取締役と株主に対して請求することが可能か

ア 代表取締役に対する請求
 株式会社には法人格が認められており、株式会社自身が権利義務の帰属主体になります。そして、株式会社と代表取締役とは別の権利能力の主体です。
 従いまして、株式会社に対する債権者にとっては、その株式会社が有する財産だけが債権の引き当てなり、当然に、その代表取締役が有する財産まで引当てになりません。

 但し、代表取締役に対しては、悪意・重過失有る場合による任務懈怠責任(会社法429条)が追求できる場合があります。
   
イ 株主に対する請求
 株式会社においては、株主の責任は有限責任であり(会社法104条)、株式会社に対する債権者にとっては、原則として、株主の財産は債権の引当てになりません。
 但し、法人格否認の法理で請求できる場合があります。

* 法人格否認の法理
 株式会社は法人であり、株式会社と株主とは別個の法人格を有するが、一人会社のように株主と会社との関係が密接なケースでは、両者の法人格の独立性を形式的に貫くことが場合により正義に反することがあります。

 その場合に、特定の事案につき会社の法人格の独立性を否定し、会社とその背後の株主とを同一視する理論です。
 例えば、小規模な株式会社が倒産した場合、その実質的一人株主の個人責任を追及するために主張されます。


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