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遺言書作成の注意点 その1 遺留分侵害額請求を考慮する必要があります

遺言で共同相続人の一人に全財産を相続させる場合、遺留分が侵害されたときの請求内容が金銭請求に変わったことから、以下のリスクがあるので要注意です。

遺言によって全遺産を取得した相続人は、遺留分を侵害された他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があり、同権利が行使された場合には、遺留分侵害額相当の金銭支払義務が生じてしまいます。

全遺産の内、一部が預金・上場株式等の金融資産であれば、全遺産を取得した相続人はそれを売却して支払原資を確保できるので、遺留分侵害額請求権を行使してきた相続人に対して、遺留分侵害額相当額の金銭を支払うことができます。
しかし、全遺産が不動産であり、かつ、流動性が低い地域で売却が困難である場合、全遺産を取得した相続人が、遺留分侵害額に対する支払原資を調達するのに困ってしまいます。

また、全遺産を取得した相続人は、自分の財産までも遺留分侵害額請求の引き当てになってしまいます。

従いまして、概ねの遺産が売却困難である場合、全財産を特定の相続人に相続させる遺言を作成すると、遺言により全財産を取得する相続人が、遺留分侵害額相当の金銭を確保するのに困ってしまう場合があるので、注意が必要です。

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